国民健康保険料は安くなる!平均的な額と安くする方法を解説
会社員を退職して国民健康保険に切り替えると、国民健康保険料が高いと感じるかもしれません。
自分だけが高いのか、他の人も高いのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
国民健康保険料はなるべく安くしたいですよね。
実は、国民健康保険料は、安くできる他、救済措置があります。
医療を受けるために大切な制度なので、この機会に、国民健康保険料について確認してみませんか?
この記事では、国民健康保険料がどのように決まるのか、国民健康保険料の平均的な目安額、国民健康保険料を安くする方法、国民健康保険料を納付できないときの解決方法について解説します。
国民健康保険料の仕組みを解説
国民健康保険料は、会社の保険に加入していない人が入る保険です。
全国一律ではなく、地方自治体によって金額が異なります。
保険料の内訳は、医療分・支援金分・介護分になっていて、この点は全国同じです。
このうち、介護分は、40歳から64歳が対象とされています。
世帯の人数や所得に応じて、各自治体で決まった料率をかけて国民健康保険料を算出します。
市区町村によって、国民健康保険料が高い・安いという差があるので、転居の際は参考にしたい情報のひとつと言えますね。
前年度の収入を元に、6月に決定される仕組みです。
国民健康保険料の平均を紹介
国民健康保険料は、地域によって差があるので、詳しくはお住いの自治体のホームページで確認していただくことになります。
しかし、計算方法が複雑でよく分からないという方も少なくないでしょう。
おおよその目安として、平均的な国民健康保険料をお伝えします。
39歳以下の国民健康保険料の平均
年齢が39歳以下、年収400万円だと、年間約28万円。月額で約2万4千円です。
会社で加入する社会保険は半額が会社負担ですが、国民健康保険料は全額自己負担となります。
印象として、「高い」と感じる方も多いかもしれませんね。
40歳以上の国民健康保険料の平均
年齢が40歳以上、年収400万円だと、年間約34万円、月額約2万8千円が目安です。
40歳以上は、介護保険分が加算されて高くなります。
共働き夫婦の国民健康保険料の平均
39歳以下で夫の年収が400万円、妻の年収が200万円とすると、年間約26万円、月額2万2千円くらいが平均の国民健康保険料です。
国民健康保険料は、自治体の人口や年齢層によって大きな差があるので、あくまで参考程度にお考えください。
低所得者の国民健康保険料も確認しよう
年収400万円くらいの国民健康保険料の平均をご紹介しましたが、年収400万円は正規雇用でそれなりに安定した給与をもらえている人かと思います。
国民健康保険は、会社員ではなく、自営業やアルバイト、また無職の人など、様々な職業・生活の方が加入しています。
不安定な収入の方も少なくありません。
ここでは、無職やフリーターの方の国民健康保険料についてご紹介します。
無職で収入ゼロでも支払いはある
国民健康保険料は、前年の収入に応じて金額が決まります。
すると、収入がゼロの場合は保険料もゼロになるような気がしますよね。
しかし、国民健康保険は、収入がゼロでも、少し保険料の支払いが必要です。
無職の方の国民健康保険料も居住する自治体によって異なりますが、2,000円前後を考えておくと良いでしょう。
国民健康保険料は前年の収入を元に計算されるので、失業などで収入がゼロになった方は支払いが難しいかもしれません。
このケースについては、後でお伝えします。
前年の収入がゼロだった場合でも、国民健康保険料は多少支払わなければいけないことを覚えておいてください。
フリーターは収入に応じた国民健康保険料
フリーターは働いているので、収入に応じた国民健康保険料を納付しなければいけません。
フリーターは20代から30代が多いので、介護分の支払いがなく、平均的な国民健康保険料は月額約1万2千円です。
年収の平均は200万円くらいとして参考にしてください。
アルバイトでも会社の社会保険に加入することがありますが、国民健康保険は会社に保険に加入していない方が加入します。
年収が130万円以上だと、家族の扶養に入れず、自分で国民健康保険料を納めなければいけません。
国民健康保険料が高い!安くする方法
国民健康保険料は、「高い」と感じている人が多いです。
その理由は、一般的に高所得者は社会保険に加入しているからと言えるでしょう。
高所得者がいれば、その層が低所得者を支えるように料率を決められるので、中間の所得の人が支払う保険料負担は減ります。
しかし、国民健康保険の加入者には、そもそも高所得者が少ないです。
そのため、収入が多少ある人から多く取られてしまう仕組みになっています。
できれば国民健康保険料は安い方が良いのが本音ですよね。
国民健康保険料は安くできるかもしれません。
ここでは、国民健康保険料を安くする方法をお伝えします。
扶養家族になる
最優先で検討したいのは、家族の扶養に入ることです。
扶養に入ると、自分で払う保険料はゼロになります。
扶養家族になるには、次の条件をクリアしていないといけません。
- 被保険者と3親等以内の生計を共にしている親族(配偶者・弟妹・父母・祖父母は同居していなくてもOK)
- 75歳未満
- 年収が130万円未満(被保険者が60歳以上または障害厚生年金を受けている障害者の場合は180万円未満)
扶養家族になるメリットは、扶養者にとって節税になる点にもあります。
扶養者の負担が増えることはないので、相談してみると良いでしょう。
世帯を分ける
収入が高い人と低い人が世帯の中でいる場合は、あえて世帯分離することで合計の保険料を安くできる可能性があります。
国民健康保険料の計算は、医療分・支援金分・介護分それぞれに、所得割・均等割・平等割をかけて算出します。
このうち均等割と平等割は、所得と世帯人数によって軽減される仕組みです。
例えば、世帯1人で所得が少なければ7割減になるところが、世帯内に高額所得者がいて2割しか軽減されないようなケースであれば、世帯を分離した方が国民健康保険料を安くできます。
この計算は、住んでいる自治体によって違うので、窓口で相談してみましょう。
減免申請する
収入が減った、自然災害にあったなどの理由で前年より収入が減った場合は、国民健康保険料を減免してもらえる可能性があります。
- 会社が倒産したなど、仕事を失った
- 退職した
- 火災・震災などで家屋に大きな被害を受けた
- 盗難被害で資産が損失した
- 病気やケガで収入が減った
など、収入が減って国民健康保険料を払えない場合は、保険料を安くしてくれる制度です。
この減免制度も、自治体によって違うので、詳しくは、問い合わせてください。
収入が減って支払えないほどの額を請求されることはほとんどなく、何かしらの救済措置があるので、安心してください。
新型コロナの影響があった人も減免してもらえる可能性があります。
困っている方は、自治体のホームページなどを確認してみましょう。
国民健康保険料が支払えないときの対処方法
国民健康保険料は安くできる方法がありますが、それでも支払えないこともあります。
行政に納付すべきお金は、滞納すると差し押さえられるなど大変です。
ここでは、国民健康保険料が払えないときにどうすればいいのかお伝えします。
まずは役所に相談
国民健康保険料が払えないときは、役所に相談してください。
黙って滞納するのは危険です。
役所には、国民健康保険料の納付相談窓口があります。
お金の相談はしづらいと感じるかもしれませんが、ひとまず相談してみましょう。
分割してもらえる
国民健康保険料は、2年間での支払い計画で分割の相談に応じてもらえます。
原則は2年ですが、どうしても2年計画では月々の金額が厳しい場合は、家計簿を持参して、収支を伝えることで、何らかの解決策を模索してもらえるでしょう。
分割相談すれば、何かしらの方法で解決できるので、状況を素直に相談することが大切です。
国民健康保険料は一般的に高い傾向がありますが、状況に応じて金額を減らす救済措置があるので、無茶な額にはなりません。
日々の生活費は、国民健康保険料を引いた残りでやりくりするよう気を付けてください。
国民健康保険料は平均的に高めなので安くできる方法を探ろう!
国民健康保険料は、会社で加入する健康保険と比較すると高いと感じる方が多いのではないでしょうか?
しかし、工夫次第で安くできるかもしれません。
事情があって支払えない時は、減免や分割納付など、救済措置があるので安心してください。
困ったときはすぐ役所に相談して、延滞がないように納付しましょう。