アパートの家賃を滞納したらすぐに連絡!3ヶ月は追い出されない
毎月の家計の中で大きな比重を占める家賃。
「急な出費が重なって、今月の家賃が払えそうにない!」「残業が減って今月の給料が思ったより安かった!」という月は、家賃が不安になると思います。
もしかすると、すでに家賃の引き落としができなかった人もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、まずは連絡することが大切。
ここでは、アパートの家賃を滞納してしまった場合にどんなことが起こるのかを解説し、解決方法をお伝えします。
家賃滞納は3ヶ月以上にならないよう注意!
想像したくないことではありますが、家賃を滞納するかもしれないと不安な時は、まず、滞納したらどうなるかを把握しておきたいです。いきなり部屋を追い出されてしまうのが一番怖いですよね。
家賃を滞納しても、3ヶ月はその部屋から追い出されることはありません。
しかし、その間も督促されたり、保証人に連絡が入ったりします。ここでは、いつ、どのようなタイミングでどのような状況になるかお伝えします。
1ヶ月以内は本人に督促が基本
家賃の支払いが延滞すると、督促を受けます。この督促は、早ければ、家賃支払い日の翌日からスタートすることもあります。
家賃の多くは、引き落としになっていますが、この場合、延滞者のリストアップ作業が必要です。管理会社が延滞者を把握できるのは、およそ引き落とし日の3日後。督促もこの後からスタートすることになります。
1ヶ月以内は、本人に、電話や督促状での督促がおこなわれるので、電話連絡があれば、必ず対応するようにしましょう。ここで連絡が取れていれば、なんとかなります。
連絡が全く取れない場合は、すぐ連帯保証人に電話が入ることがあり、家賃の延滞を知られてしまいますので注意してください。
1ヶ月経過すると保証人に連絡がいく
1ヶ月支払いが出来なかったり、連絡が取れない場合は、連帯保証人に連絡がいきます。
さらに督促を無視していると、解約の予告通知書という内容証明郵便が届くでしょう。内容証明は、解約予告なので、この通知をもって部屋から追い出されるわけではありません。
支払い期日の記載があります。その日までに家賃を支払えるようお金を用意しましょう。
ここまで、2ヶ月ほどです。
3ヶ月超えると契約解除されることも
保証人に連絡が入り、内容証明が届いたのに、支払いの意思を伝えないまま3ヶ月が経過すると、自主退去を求められます。
大家さんから契約解除ができるのは、「3ヶ月以上滞納+内容証明で指定した期日までに支払いがない」という2つの条件が揃ったときです。
逆に言えば、3ヶ月以内に退去を求められることはないので、もし切羽詰まっても落ち着いて対応しましょう。
しかし、3ヶ月以上滞納すると、部屋から追い出される可能性が高まります。
自主退去に応じなくて支払いもしないときは「法的措置」へ
家賃の延滞から3ヶ月が経ち、内容証明の期日までに支払いもせず、自主退去にも応じない場合は、いよいよ法的措置を講じられるでしょう。つまり、裁判です。
こうなると、裁判費用などもかかってくるので、大変なことになります。連絡を無視して支払いをしていないわけですから、勝ち目はありません。
最終的には、裁判所による強制退去が待っています。
連絡が取れていればひどいことにはならない
ここまで、ずっと連絡を無視しているとどうなるかをご紹介しました。
家賃を滞納しても、電話で連絡が取れる場合は、それほどひどいことにはなりません。
内容証明すら届かない可能性が高いです。裁判までいくのは、全く連絡が取れず、どうしようもないときだけと考えてよいでしょう。
家賃滞納中は、後ろめたい気持ちから電話に出たくないと考えてしまいがちですが、電話に出ないと自分の首を絞めることになりかねません。滞納中だからこそ、より誠実に対応するよう心がけましょう。
保証会社をつけている場合の督促は厳しい
ここまでご紹介した流れは、連帯保証人がついているケースです。しかし、最近の賃貸契約は、連帯保証人の代わりに、保証会社と契約するケースが多くなっているので、このケースについてご紹介しましょう。
保証会社がついていると、家賃滞納が発生した際、保証会社が家賃を立替払いします。
この時点で、債権の所在は、部屋のオーナーではなく、保証会社です。つまり、保証会社に借金をしている状態になったということ。
そのため、保証会社から督促されます。
保証会社はプロなので、取り立て方法は厳しいと考えておきましょう。裁判までの流れは同じですが、延滞から1ヶ月以上経過すると家に訪問するなどの取り立てを受ける可能性があります。
精神的に追い詰められるので、保証会社と契約しているときはより注意してください。
連帯保証人に連絡が行くタイミングはケースバイケース
家賃を滞納しているときに心配なことのひとつとして、連帯保証人に連絡がいくことがあるでしょう。滞納していることがバレるので嫌ですよね。
連帯保証人への連絡は、通常1ヶ月ほど経過してからですが、もっと早く連絡するケースがあります。
それは、連絡が取れない時です。
管理会社は、引き落とし日に引き落としができなくても、入金を忘れていただけのことがあるので、まずは単なる連絡をします。
このとき、連絡が取れないと、管理会社は、部屋で倒れている可能性を心配しますので、連帯保証人に「連絡が取れない」という一報を入れる可能性があるのです。
取引が長い人は、その行動パターンなどから、保証人への連絡のタイミングを管理会社が判断しています。ケースバイケースのため、保証人に連絡してほしくない場合は、管理会社からの電話には出るように気を付けてください。
一度滞納しても支払えば問題ない
一度家賃を滞納してしまうと、支払って済む問題なのかが気になるかもしれませんね。
うっかり忘れていただけで、すぐに支払った場合は、特に問題ありません。
しかし、問題は、内容証明が送られてくるような段階に至ってしまった場合です。ここまでこじれた後で支払った場合は、そのときは特に問題ありません。
ただし、「次に滞納したときはすぐに退去する」といった内容の誓約書を求められる可能性があります。
つまり、一度の滞納は、支払えば問題ありませんが、二度目の滞納は厳しいということです。二度と延滞しないように気をつけましょう。
家賃が払えない時の対処方法
ここまでは、家賃を滞納した場合にどうなるのかをお伝えしました。実際に払えないときは、どのように対処すると良いのでしょうか?
管理会社・大家に連絡
まずは、すぐに管理会社や大家さんに連絡しましょう。そして、支払いできない理由を説明してください。
多くの場合は、分割に対応してもらえます。
支払いが可能な日程など、具体的な話をすることで、大きな問題に発展することはないでしょう。
家賃の見直しをする
家賃を払い終わり落ち着いてから、家賃の見直しをしてください。
出費が重なり払えなかったなどの一時的なケースと、収入が以前より減って家賃負担が大きくなっているケースがあります。
家賃負担が大きい場合は、収入を増やすか家賃を減らさなければ同じことを繰り返してしまいます。引っ越しも視野に検討すると良いでしょう。
家賃滞納したらクレジットカードが作れない!
保証会社を利用している人が家賃を延滞すると、その情報が信用情報機関に登録されます。
延滞履歴が残っているうちは、クレジットカードやカードローンなどの新規申し込みで審査に落ちる可能性が高いです。
また、すでに利用中のクレジットカードでも油断は禁物。カード会社は、随時信用情報のチェックをしています。そのタイミングで信用情報の延滞情報を知られると、使っているクレジットカードの利用停止の危険があるのです。
最悪の場合は、残高を一括請求されることもあります。
可能性は低いですが、もし家賃を踏み倒してしまったら、扱いは「金融事故」です。こうなると、クレジットカードやローンは、5年程度利用できなくなります。また、家を借りるときも保証会社の審査に通らず、家が借りづらくなるという影響もあるでしょう。
家賃の滞納は、家賃だけの問題ではないことを知っておきたいです。
延滞金にも気をつけよう!
家賃の滞納をすると、延滞損害金が発生します。
法律では、年利14.6%以下。
契約書で大家さんが決めていることがほとんどです。もし契約書に書かれていなければ、年利5%もしくは6%で計算されます。(大家さんが賃貸を事業としておこなっている場合は6%です。)
たいていは、契約書で14.6%になっているので、一度確認しておくと良いでしょう。
例えば、家賃7万円、延滞損害金の年利が14.6%で、60日延滞した場合の延滞金は次のように計算します。
70,000×0.146×60÷365=1,680円
この金額だけ見ると、たいしたことないように思うかもしれません。放置すればするほど、延滞金が膨れ上がっていくので注意しましょう。
また、金額以上にペナルティが大きく、精神的に追い詰められるので、家賃の延滞は早く解消したいです。
敷金は家賃にあてられないので注意
家賃を延滞すると、敷金から補填されると思っていませんか?
実は、敷金は、家賃にあてられません。
家賃を滞納したときのために先に払っていると思っている人も少なくないかと思いますが、敷金は、退去するときの原状回復のために使われる費用です。
借りてる側は、敷金の使い道を指定できないので、大家さんに「敷金があるでしょう?」と詰め寄らないように注意しましょう。
家賃の滞納はすぐに連絡!早く解消!を心がけよう
家賃を延滞しても、すぐに部屋を追い出されることはありません。
しかし、督促が入ったり、保証人に連絡されたりするので、家賃を延滞したときは、すぐに連絡してください。延滞前でも、支払いできないと分かった時点で連絡するのをおすすめします。
連絡さえきちんとしていれば、家賃の滞納は大問題にはならないと考えて良いでしょう。分割などの融通を効かせてくれる可能性が高いです。
素直に相談して、早く解消すれば精神的負担も軽くすみます。
家賃負担が大きいと感じるなら、家賃の見直しも検討してみると良いでしょう。