ボーナスの手取り額が少ない!天引きされる税金の種類と手取り目安
ボーナスは働く楽しみのひとつですよね。
しかし、いつ頃からかボーナスの手取り額は減ったと感じているのではないでしょうか。
ボーナスは、額面取り受け取れるわけではなく、天引きされるものがあります。
期待していたより手取り額が少なくて、いつも気がついたらボーナスを使い切ってしまうなら、ボーナスの天引きの仕組みを理解しておくと良いでしょう。
あらかじめ手取り額の予想がつけば、計画も立てやすくなります。
この記事では、ボーナスから何がどのくらい天引きされるのか解説しました。
ボーナスから天引きされるもの
ボーナスを受け取ると、額面金額と手取り額の差が大きくて驚いてしまうかもしれません。
その理由は、天引き。
ボーナスから天引きされるのは、「所得税」と「社会保険料」の2種類です。
これらのお金が徴収された後、残りの額が振り込まれます。
実際に自分が使えるボーナス額は、天引き後の金額です。
天引きされる2種類のお金について詳しくお伝えします。
所得税はボーナス額が多いほど高い
ひとつめの天引きは、所得税です。
所得税は、受け取るお金に対していちいちかかる税金なので、それほど違和感はないかもしれません。
所得に応じた税率をかけて算出される税金で、受け取るお金が多いほど税率が高くなる累進課税制度を採用しています。
ボーナス額が多いほど、所得税も高くなるということです。
ボーナス額が少なく感じる原因は社会保険料
もうひとつボーナスから天引きされるお金として、社会保険料があります。
ボーナス額が少なく感じるとしたら、所得税より社会保険料が原因かもしれません。
社会保険料の内訳は、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」です。
3種類の社会保険料が天引きされるので、額面との差が大きく感じてしまう原因になっています。
それぞれ、ボーナス額を元に料率をかけて金額が決定する仕組み。
この料率は、自治体によって異なりますので、詳しく計算したい方は自治体のホームページで確認してみてください。
社会保険料は、自分一人で支払うものではなく、会社も半分負担します。
ボーナスの天引き額は額面の約2割
ボーナスから天引きされるお金の種類が理解できたら、実際にいくら天引きされるのか気になりますよね。
ボーナス額や自治体によって差がありますが、天引き額は、およそボーナス額の2割を目安に考えておくと良いでしょう。
手取りはボーナス額の約8割です。
計算方法は、まず社会保険料を計算し、ボーナス額から社会保険料を引いた額に所得税率をかけて所得税額を計算します。
簡単なシミュレーションをしてみましょう。
ボーナス額が50万円(健康保険料率0.099、厚生年金保険料率0.183、雇用保険料率0.003、所得税率0.04084)と仮定すると、次のような計算ができます。
- 健康保険料:50万円×0.099=49,500円
- 厚生年金保険料:50万円×0.183=91,500円
- 雇用保険料:50万円×0,003=1,500円
社会保険料の合計は、142,500円。会社が半分負担するので、自分のボーナスから天引きされるのは、71,250円です。
所得税は、50万円から社会保険料71,250円を引いた残りの428,750円に対してかかります。
428,750円×0.04084で、17,510円。
50万円のボーナスから社会保険料と所得税を引いた手取り額は、411,240円です。
およそ41万円で、ボーナス額のおおよそ8割が受け取れることになります。
実際の料率は、地域や扶養家族の人数などによって変わりますが、このような計算方法で算出できますので、ご参考にされてください。
ボーナスの天引き額は前月の給与に左右される!
ほぼ同じ給与額の同僚と話をすると、ボーナスの天引き額が違い疑問に感じることがあるかもしれません。
家族構成も同じなのに自分の方が多く天引きされていた場合、多く引かれ過ぎているのではないかと不安になる人も少なくないようです。
実は、天引き額に差が出る大きな原因に、ボーナスの天引き額の計算の仕組みがあります。
間違っていることはないので安心してください。
前月の給与が高いとボーナスの天引き額が多くなる
ボーナスから天引きされる税金の料率は、前月の給与を元に決定されます。
例えば、13.3万円~26.9万円なら2.042%、26.9万円~31.2万円は4.084%…のように。
この例で考えると、前月の給料が26万円だった場合と27万円だった場合では、2倍の差があります。
ボーナスの手取り額をなるべく多くしたいなら、ボーナス月の前月は残業を控えるといいかもしれませんね。
年末調整で年間の帳尻は合う
ボーナスの手取り額に差が出来てしまった場合でも、損しているわけではありません。
天引きは、仮の計算で予想額を先に引いておくものだからです。
本来、年末に一年の所得が確定してから納付すればいいのですが、年末にいきなり高額の税金を支払えと言われると払えない人が出てくるでしょう。
そこで、ある程度近い金額を給与の度に引いておき、年末に正確な金額を計算。不足は徴収し、取り過ぎていた場合は還付するという方法が採用されています。
つまり、ボーナスで本来の天引きされるべき額より多く引かれてしまっていたとしても、年末調整で帳尻合わせされるので、年間トータルで考えると、同じ結果になるのです。
先ほど、前月の給与で天引き額に差がでるとお伝えしましたが、年末調整でその差はなくなるので、気にすることはありません。
ボーナス前月だけ残業を控えたとしても、年末に正確な計算をした結果、ボーナスからの徴収額が不足していたら年末調整月の給与で手取りが減る可能性があります。
年末調整で過不足がでないように気にするのは難しいので、あまり深く考えず、仕組みだけ把握しておくと安心して働けるのではないでしょうか。
住民税はボーナスから天引きされない
ここまでは、ボーナスから天引きされるお金として、所得税と社会保険料があるとお伝えしました。
ここで、もう一つの税金であるいわゆる住民税が頭をよぎるかもしれませんね。
実は、住民税は、ボーナスからの天引きはありません。
所得税と社会保険料が天引きされて住民税は天引きされない理由は、税金の徴収方法が違うからです。
所得税と社会保険料は、その年の収入に応じて天引きされます。年末に総収入額が確定し、税金・社会保険料の総支払額も確定させ精算する方法。
それに対して住民税は、前年度の収入に応じて納付する税金です。
住民税も天引きでの納付ができますが、すでに納付額は確定しており、それを月々の給与から均等に天引きしているだけなので、ボーナスからは天引きされません。
ボーナスの天引き額が増えたのは2003年から
ボーナス額がいつからか少なくなったように感じる…という方もいらっしゃるかと思います。
ボーナスの天引き額は、2003年から増えています。
それまでは社会保険料がボーナスの天引きに含まれていませんでした。
ボーナスが社会保険料の算定に含まれない場合、月々の給料は少なく、ボーナスで多く支払えば社会保険料の支払額を減らせることになります。
それでは不公平ということで、社会保険料の考え方が年間の総所得を基準とするように変化しました。
ボーナスの天引き制度を知って計画的に貯金しよう!
ボーナスからは、所得税と社会保険料が天引きされ、手取りは額面の約8割になります。
額面通り受け取れると思っていると、振り込まれた金額を見てショックを受けてしまうかもしれません。
額面をあてにして、大きな買い物をするのは危険です。
ボーナスの天引きがどのような仕組みになっているのかを理解しておくと、ボーナスの使い道を計画しやすくなります。
ボーナスは全額使いきらず、貯金にも回したいものです。
この記事を参考に、ボーナスの手取りを予想して、ぜひ貯金の計画も立ててくださいね。